トレーディングカード歴史館

AUTOGRAPHICS
-オートグラフィックス-

1996/1997
"Autographics" ・・・
いまはもうコレクターを引退した人も、90年代後半にトレーディングカードを集めていた人にとっては、このフレーズを聞くだけで何時間でも思い出話ができるほど、カード業界に強烈なインパクトと影響をもたらした直筆サインシリーズ。
SkyBox International社は前年、エンタメ界の巨人 Marvel社によって買収される。
Marvel傘下にあったFleerと実質的にこの年から統合されることとなったが、
しばらくの間は Fleerとは製品を区別し、元々それぞれが発行していた
ブランド+製品名でパックを発売することになった。(Fleer Ultra, SkyBox Ex など)
SkyBox ブランドは1990/91シーズンからNBAカードの発行を始めてから5年、毎年製品を出してはいたが、代表作と言えるシリーズもインサートもなく、コレクターからの評価は決して高くなかった。
ところが、、、ブランド統合が発奮材料になったのか、
未来を見てきた人間が企画打ち合わせに加わっていたのか。
この年の新製品のコンセプトは、信じられない程のクオリティと可能性を含んでいた。
◆引退したレジェンドではなく、今プレーしている現役の選手の直書きのサインを入れよう。
◆サインをもらうのは全てのチームからまんべんなく。色々なファンに集めてもらえるように。
◆選手にサインを書いてもらうスペースはできるだけ大きく、シンプルな白で見やすくしよう。
◆1000人に1人、ではなく誰もがサインカードを引くチャンスがある確率(オッズ)にしよう。
◆特定の製品だけに入れるのではなく、より多くの自社製品を手にとってもらえるよう、
発売されるSkyBoxブランド全てにサインカードを入れ、統一したデザインにしよう。
パックから直筆サインが出るのは既にUpper Deck等が過去にやっており、初めてではない。
だがトレーディングカードのパックから直筆サインが引ける、という点において、Autographicsのコンセプトは初年度の時点でほぼ理想的な形であり、完成されていた。
Grant Hill、Kevin Garnett、Scottie Pippen、Hakeem Olajuwon、Clyde Drexler、Alonzo Mourning。
ルーキーの Stephon Marbury、Ray Allen、Steve Nash。
Upper Deck社と独占契約を結んでいるMichael Jordanは当然入れられないものの、
それまで公式の直筆サインカードを入手するチャンスがなかったNBAのスター選手が多く含まれていた。
NBA Hoops、SkyBox Premium (旧SkyBox通常版)、E-X2000、Z-Force。
総勢95選手の直筆サインが"Autographics" シリーズとしてこの年に発売された
7種類(EX2000以外の3種にはシリーズ1と2がある)のSkyBoxブランドの製品に、すべて 1:72 パックの割合で封入された。
「直筆サインのインクの色が違うバージョンがある!」
「青インクのサインしかない・青インク版が存在しない選手がいる!」
「Juwan Howard と George McCloud の2人だけは、
一番最初に出た Hoopsのシリーズ1にしか入っていないらしい!」
当時、まだインターネットがそれほど普及していなかった時代、カード雑誌の情報、
開封結果や人の噂の真偽に多くのコレクターは食いつき、 Autographics に夢中になった。
この年、「その他大勢」のひとつでしかなかった SkyBox は、
一躍NBAカード屈指の人気ブランドへと成長した。




1997/1998
「97/98のHoopsはいつ出るの?」
例年、その年のNBAカードとして最初に発売される Hoopsシリーズは、1パックが1ドル(約100円)以下で買えるお手頃な廉価版で、ヘビーコレクターにはスルーされていることも多かった。それが前年のヒットで、新しいデザインのAutographics見たさに製品チラシが公開されるまでも待ちどおしい、というコレクターが現れるほどに注目されることとなった。
Charles Barkley
Dennis Rodman
Tracy McGrady
Rasheed Wallace
Century Marks

1998/99
Vince Carter
Tim Duncan
Allen Iverson
Redemption
NBA Lockout
パラレル版 50枚

1999/2000
Shaquille O'Neal
Purple Foil 50枚
Rack Packs版 15枚?20枚?

2000/2001
この年から、シリーズの名称が "Fleer Autographics" に変更された。
Silver 250枚
Gold 50枚
Fleer Authority 版 BGSケース入り


2000年代
2003/04: 製品としての "SkyBox Autographics" パック・ボックスが 登場

2010年代
RETRO 大学時代